淵野辺から世界へ!

20代。140字以上。

ルアンパバーンの過ごし方

昨日まで、友達の結婚式に合わせて、ラオスはLuang Prabangという観光地でのんびりしていた。

 

ホテルは、中心地から離れた隠れ家リゾート的なところにした。

朝は部屋に届く皿いっぱいのご飯を食べ、食後はそのままプールサイドでアップルサイダーを飲みながら読書。昼前にオーダーしたフードデリバリーをプールサイドまで持ってきてもらい、食っちゃ寝。

夕方、少し涼しくなってきたら借りているバイクで観光地をなんとなく眺め、そのままハーバルサウナに向かう。狭い部屋で、レモングラスが強めのスチームサウナを楽しむ。スチームの噴出口を囲むように、6人くらいが座れるコの字型のベンチがあり、そこにローカルも観光客も混ざって静かに座るスタイル。

そうこうする内に20時くらいになるので、少し空いてきたナイトマーケットでご飯を軽く食べ、遠回りしながらホテルに戻る。

 

滞在中は、ホテルとサウナのマネージャー以外とはほとんど話さなかった。露店の並びでご飯食べるときも、ひとりでkindle読みながら、通行人を眺めながら、通行人に眺められながら、過ごした。この2年、在宅勤務になってからますます人と話さない生活になって嬉しかったはずだけれど、異国で空気になるこの生活は、(やっぱり)また違う。とても良い。わたしは一人でする旅行が好きだ。


ホテルから郊外の駅まではハイヤーを手配してもらった。

ドライバーは地元の人で、同い年だった。12歳の娘がいるが、大学まで行かせてやるためにめっちゃがんばってるそう。彼も彼のパートナーも、孤児院の出身で、他に頼れる人がいないからふたりで頑張ってるらしい。


俺が仕事を休んでラオスでバケーションできているのは、たまたま生まれた国と時代と家庭が良かったから。もし、彼のように、1975年まで続いた内戦のあとの時代に、最貧国のひとつに生まれ落ちて、孤児院で育ったら、自分の努力でどうにかなることはほとんどなかっただろう。ラオスの5歳未満の死亡率は1000人中46人(日本の20倍くらい)で、平均寿命は68歳。そんな国で、流暢な英語を話せるようになり、10代の頃から子を育て、その子を大学にいかせようとしている同い年。

 

 

井の中の蛙大海を知らずを久しぶりに感じた日

清水高志さんが、松岡正剛さんと対談をしていた。

 

松岡さんの千夜千冊の連載がきっかけで素晴らしい本や作家に出会い、それによってこれまで自分の人生は彩られた場面もあった。鈴木大拙鷲田清一花田清輝を読んで、完全に理解はしていないけど、なにか自分の中に残っている(と信じられる)部分があって、人生は潤ったと思っていた。

 

メイヤスーの有限性の後でも、ヴァレリーのカイエも読んだ。丸山真男柳田國男西田幾多郎、朝永三十郎の名前も知っているし、何か読んだし、どういう人生だったかもwikipedia的な深さで知っているつもりだ。

 

伊藤亜紗さんや鞍田崇さん、星野太さん、小田原のどかさん、あるいはDJ ASADAAKIRAのSNSの投稿を見て、何かわかった気になっていた。

 

清水さんの来るべき思想史も読んだ。なんとなくこういうことが書かれているということも(覚えていないけど)わかった気になれた。

 

 

が、この記事を読み、自分はこれまでの人生で、読書からは何の栄養も得られていなかったと実感した。

この内容を、対談というライブでやってのけてしまう巨人のじゃれ合いを見て、自分のような浅い人間がいてすんません、他の人よりもずっと教養はあるんだろうと思い込んでいてすみません、という恥ずかしさの波が押し寄せている。

 

31歳になった

ニュースへの怒りと諦めが増え、嫌だと思うことが増え、腰は痛え。
手がおっさんになった。髭に白いのが数本出てきた。酒を飲むと眠くなる。

 

気の合う友人としか会わなくなり、気の合う友人とも会わなくなった。
あいつは結婚したばっかりだし、子供が生まれたばかりだし、とどんどん疎遠になる。
20代半ばくらいによくあった「(夜は忙しいだろうから)夕方くらいにお茶しない?」みたいな連絡を取り合う友人も減った。当日の連絡is良くない。

 

oasis解散(18歳)、志村が死んだ(18歳)、PaulとKanyeとRihannaがコラボ(25歳)、Aviciiが死んだ(26歳)とかそういうニュースに一日中影響されることもなかった。

 

2022年3月に読んだ本

3月は沖縄, 格差, 家族についての本が多かった。


上間陽子(2017)「裸足で逃げる」は、語り口の臨場感がすごかった。琉球方言そのままの部分があったり、筆者のバランス感覚(東京x沖縄, 当事者としての記憶x研究者としての語り, 記録者x支援者, 研究x一般書)が秀逸で前提知識が乏しい自分でも容易に読めた。このあとに読んだcoyoteの沖縄特集が、全然違って見えた。

 

Orna Donath(2022訳)「母親になって後悔してる」イスラエルの母たちにイスラエルの女性研究者がインタビューした記録。上間さんの本と違って、今度は社会制度の中で守られている人たちの話。母性の幻、家族についての苦しみ、後悔。家父長制。幸福。

 

鈴木賢(2022)「台湾同性婚法の誕生」。社会制度に新しく取り込まれた者たちについての話。法制度、社会からの受け入れられ方について丁寧に記載している。法学者による書籍だからそれでいいんだけど、その時代に虐げられた人たち自身へのインタビューがないからか、弾圧や差別についての記載はほとんどない(一部「臨検」についての記載あり)。

 

あと、樋口耕太郎(2020)「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」を読み直した。

 

 

 

結婚して家族を増やすという方向性に待ったをかけるような本ばっかり読んでるな。いまの自分はそこに違和感があるんだろうな。

 

 

最近聴いている音楽(2022/3)

定期的にアップしているやつ。前回は2021/8のこれ

 

 

仕事中は静かめのを流している.

  • FKJ / Just Piano (2021)
  • 坂本龍一 / Beauty Remastered (2021)
  • Lucy Dacus / Home Video (2021)
  • Vulfpeck / My Finish Line (2017)
  • Samm Henshaw / Untidy Soul (2022)
  • Quarteto Em Cy / Quarteto Em Cy (1966)
  • Jamael Dean / Primordial Wates (2021)
  • あと藤田真央さんのライブ音源いくつか

 

引っ越してから、ライブアルバムをかけることが多くなった

  • Miles Davis / Jazz in Paris (1958)
  • Donny Hathaway / Lives at the bitter end (1971)
  • Monty Alexander / Live at the cully selext jazz festival (1991)
  • The Fearless Flyers / Live at Madison Square Garden (2021)
  • あとNPR Tiny Deskのプレイリスト作って2時間分くらい回している

 

その他. Youtube見るときとかに流している。

  • D.A.N. / NO MOON (2021)
  • Jazmine Sullivan / Heaux Tales (2021)
  • Nate Smith / Pocket Change (2018)
  • ZORN / 925 (2021)

 

アーティストだとZORNについて考えることが多い。チューリップ組とゲレンデヴァーゲンだったら前者にしか価値はないみたいなこと言っているのに、なんでセレナじゃなくてゲレンデ買ったんだろうとか。買ってから気づいたみたいな温いことは言わなさそうだし.. 

あと子を愛でる気持ちはあるけど、収監中の仲間も大事っていう世界線。一見、パパだしラッパーが成立しているようだけど、何に誇りを感じているのか、これから何を大切にし続けるのか、彼がどうバランスを取っているのか、曲やインタビューからイメージができない。

最近みたコンテンツ(2022/3月)

 ウクライナの件があって、1月からずっと辛い。

忘れるためか、なんなのか、動画コンテンツを見る時間が多分増えてる。

 

 

良かったもの: 

  • CODA: ぶっちぎりで優勝。劇場で号泣した。
  • 凶悪ジョゼと虎と魚たちパーマネント野ばら: 好きな女優は池脇千鶴です。
  • さらば青春の光のコント: 虐げられた人たちの復讐。
  • ラランドのYoutube: 「大学のサークルの後輩が頑張ってる感」があって推せる。ニシダ大船住みらしいし。
  • 佐伯ポインティ: 毎日見てる。
  • 新幹線大爆破: 何が感動的で何が格好いいかという当時の価値観が面白かった
  • 藤子不二雄ミノタウロスの皿」: アニメをほとんど見た経験がないので、新鮮だった。あれを20分で見れるのはちょうど良い。
  • 大友克洋MEMORIES」: 絵が全部よかった
  • Viva Video! 久保田成子都現美): 作品も素晴らしいし、展示のタイミングもこれ以上なかった. 
  • THE EUGENE STUDIO 新しい海都現美): 同年代の人があの空間を作り出しているという事実が凄すぎる。あと観覧している若い人たちの会話がそこらじゅうから生まれていて、めちゃくちゃリアルだった。2022年!という感じの空間だった。
  • 認知症世界の歩き方自閉症の僕が飛びはねる理由: 当事者の中が知りたくて。
  • ぼくたちは戦場で育った茶色の朝中村哲さんの本緒方貞子さんの本戦争で死ぬということ夜と霧樋口陽一憲法軍事学入門常識としての軍事学地政学の逆襲サクッとわかる地政学: 戦争について知りたくて

 

 

二軒目

2月にまた家を買った。

 

10代、20代で移動し続けていた反動なのか、前回から日が浅いのに、また買っちまった。そして、間取りやスタイルは全然違うが、また平屋。

 

リフォームを考える日々。