淵野辺から世界へ!

20代。140字以上。

違国日記

最近、違国日記という漫画を薦めてしまう。
誰彼構わず、(それが何度目だろうと、)違国日記面白いから読んでって言ってしまう。
どうして自分にこんなに刺さったかというと、会話のテンポがよくて読みやすいとか、絵が丁寧とか、そういうのもあるけど、とにかくこの漫画はわたしを肯定してくれる、救いの漫画だからだ。

 


例えば、家族観。
いつも仲良く元気よく、といったファミリードラマで描かれるような理想の家族像と自分のそれとのギャップに苦しむ私を救った。親だから理解してくれるわけではないし、兄弟だからといって許す必要はない。無理に仲良くなれなくてもいいということを描いてくれた。

 


主人公の職業が作家なのもいい。文芸の読み方や鑑賞の仕方は読み手次第だから、読み手の数だけ読み方があっていい。そういう、みんなが違ってみんないいを象徴している。
売れっ子作家だが、生活がままなっていない主人公のリアルさから「素晴らしい作品を作る人が聖人であるとは限らない。みんな弱いし、みんな違う。だけど、みんなそれでいい。」みたいなことを感じ取った。
(掃除と人付き合いが苦手なだけで、自分をケアする方法は知っているっぽいので、生活はままなっているとも思う)


あと料理が美味しそう。つらいときは美味しいもの食べて乗り切ろう、という感じがしていい。
この漫画は私に「元気出しな!」とか言わない。「死なないほうがよさそうだから、大変だと思うけど、まあ美味しいものでも食べな」くらいの応援。それが心地よい。

 

 

 

ヤマシタトモコ/「違国日記」特設サイト

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