淵野辺から世界へ!

20代。140字以上。

うちとそと

ここでは、ガーナ人のボスの家に滞在している。食費と宿泊費がかからないのがなにより嬉しい。

 

交通費は支給されるから、普通に生きてたらお金を使わない毎日。本当に恵まれている。

 

 

スーパーマーケットに行った帰り、タクシーの中でボスにこう言われた。

「お前はよくその格好でスーパーに行けるな」

そのときの自分の格好はタンクトップにバスパン、ビーサンと非常にラフな格好だった。

 

着るものに気を遣わないで誰かの気を害することはちょくちょくある。気をつけているつもりでも、いかんせん服装にほとんど全く興味がないので、たまにやってしまう。今回もそれかと思ったけど、スーパーにいくだけだからそれらしい服装も糞もないと思った。

 

「さすがにラフすぎますかね?」

 

「そうだね。その格好が許されるのは徒歩圏内だけだよ」

 

外国人の内と外の感覚が新鮮だったから黙って聞いていると、面白い言葉が続いた。

 

「それか、自家用車でスーパーにいった場合」

 

一瞬、意味がわからなかったが、そんな自分に気づいたボスはまだまだ話を続けた。

 

「自家用車の中はプライベートな空間。それがスーパーの駐車場にあるわけだから、もし君が自分の車でスーパーに言ったら、それは徒歩圏内と変わんないんだよ」

 

 

プライベートとパブリックの感覚。人によって違うし何か問題が起こるまでわかりにくいけど、それだけにこういった瞬間に表面化すると非常に面白くて好き。