淵野辺から世界へ!

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黒川清さんのこと

黒川清氏がthe Foreign Policyという外交とか政策を専門に扱うアメリカの雑誌が選ぶ今年の識者100人(Top 100 Global Thinkers)に選ばれた。この特集は4年前から毎年12月に発表されているもので、今年のトップにはアウンサン・スー・チー氏とテイン・セイン氏(ミャンマーの首相)がダブルで選ばれた。日本からは黒川氏(63位)の他に村上春樹氏(49位)が選ばれている。

 

耳慣れない雑誌のランキングに、よくわからないおじさんが選ばれたと思う人が大半だと思うけれど、僕はこの黒川清というおじさんにとても感謝しているから、今日は彼の紹介を兼ねて、書いてみたいと思う。

 

 

Wikipedia本人のプロフィールをみれば大体わかるけど

黒川 清(くろかわ きよし、1936年 - )は、日本の医学者(内科学・腎臓学・医療政策・科学政策)。学位は医学博士(東京大学・1967年)。旭日重光章授章。

ということらしい。

 

今回のFP誌のTop 100 Global Thinkersの選定理由は

For daring to tell a complacent country that groupthink can kill.

(国会事故調*の委員長として、福一の事故を人災と位置づけ、その背景にある組織を重んじる日本文化が起こしたものと結論づけたこと)

この件に関してはFinancial Timesが2回に渡って(1, 2)疑問を呈すなどの批判もあったけど、これまで日本人の偉い人たちが触れられなかったことにつっこんでいて、その点は評価されるべきと思います。

 

 

 

国会事故調東京電力福島原子力発電所事故調査委員会は平成23年3月11日に起きた

東京電力福島第一原子力発電所事故の事故原因究明のための調査・提言を行うために、日本の憲政史上初めて国会に設置された独立した国民の為の調査機関(活動終了)。

 

 

 

実はこの黒川清という方は、僕が大学に入って最初に受けた講義を担当した人でした。新入生ガイダンスの一環として受けた講義のテーマは「休学のすすめ」。しょっぱなから休学ってどうなのとか思いながらも、高校時代には決して考えたこともないことを次から次へと展開していって、すげー面白かった。

中でも印象的だったのは「気になる人(著名人とか)がいたらとりあえずコンタクトとってみるといい。大抵の人は学生が好きだし、本当に直接メールとかしてくる人は少ないから謙虚な態度でいけばちゃんと応えてくれるよ」というもの。

 

で、この講義が終わったあと、その日のうちに彼の近著(世界級キャリアのつくり方)を読んで、感想と疑問に思ったことをメールしてみた。そしたらほんとに返ってきた。

 

何を送ったのかも、なんて返ってきたのかももう覚えてないけど、このことがきっかけで、主体的に大人にぶつかってみようと思えるようになったのは間違いないことで、大学に入って3年くらい、気になった人にメールを送りまくった。学会とか講演会に遊びにいくことにも臆さないようになった。結果、テレビの中、ネットの中にも生きた人がいることを学べた。エジプト動乱のときにエジプト大使に会いにいったり、Creative Commonsの会合でローレンス・レッシグに会うためにワルシャワにいったりと、かなり素敵な経験ができた。そんなわけでとっても感謝している。

 

彼は12月に行われるTEDxSFCにも登壇するみたいだから、興味と時間があるかたは是非。

 


そういえば、僕はSFCが第一志望ではなくて、4年間通うか悩みながらキャンパスライフをスタートさせたのを思い出した。そんな気持ちを抱きつつ受けた講義が素晴らしかったから、今の僕がいるのかもしれない。奨め通り休学もしてるし。